【駅伝】箱根駅伝全国大会化は現実的か?

 「箱根駅伝を全国大会に」そんな声が関東学生陸上競技連盟から上がり始めている。これには、青山学院大学の原晋監督も賛成する考えを示している。

 

 今や、冬の風物詩となっている箱根駅伝を全国化することになれば、少子化や過疎化の問題が改善されるかもしれない。地方の大学が出場できるようになれば、関東の大学に行かずに、地元の大学に進学する選手も増えるだろう。また、地元の大学が活躍すれば、地域の活性化にもつながり、競技人口の拡大にもつながっていくはずだ。

 

 関東学生陸上競技連盟は、2024年から全国に門戸を開くとの声が出始めている。しかし、現実的に地方の大学が関東の大学と互角に戦うことができるのだろうか。箱根と並び大学三大駅伝である、全日本と出雲では、上位を関東の大学が独占している状況が数年続いている。昨年の全日本の出場校のエントリー選手の1万mの平均タイムを比較すると、関東の大学は28分台と29分台であるが、地方の大学は30分台がほとんどである。距離も長く、特殊区間もある箱根では、今のままでは地方の大学は、関東の大学とかなりの差がつくかもしれない。そうなれば、箱根の面白さである、シード権争いでさえも地方の大学には難しくなってくる。

 

 最初は関東学連選抜のように、地域で選抜チームを構成し、参加するのが現実的だろうか。今年の箱根で、 青山学院大学が4連覇を果たした。原監督が監督に就任してから、箱根に出場するまで6年、優勝するまでに12年かかっている。地方の大学が箱根で躍動するためにも長期的な強化が必要になってくる。